12か月の豆皿展

川越在住の陶芸家・石川覚子さんが一枚一枚丁寧に絵つけをした愛らしい豆皿。
季節の風物詩や節供、神社の年中行事にまつわる日本の景色を描きました。

2016年6月8日(水)→21日(火)
氷川会館1階 むすびcaféにて 10時→18時 *初日は8時半よりオープンいたします
(6月11日(土)、19日(日)は9時半、18日(土)は9時よりオープンいたします)

石川覚子・12か月の豆皿展

インタビュー

石川覚子さんの陶芸への想い。
絵を描くようにうつわをつくること。

石川覚子・12か月の豆皿展

はじまりは小さな笑顔のために

素朴で愛らしいイラスト。ころころと笑いかけてくるかのようで思わず手が伸びる。うつわの中、外。高台の中にまで。物語のようにうつわ全体でしゃべりだす。石川覚子さんのうつわはそんな楽しい気配が詰まっている。

石川さんは川越市に窯を構える陶芸家。木工品をつくるご主人とふたりでヒロロ工房を営む。陶芸との出会いは大学在学中に入った陶芸サークル。クリエイティブな環境の中、数多くあった選択肢の中でたまたま入ったサークルがその後の道を決めてしまった。卒業後は川越の老舗「陶舗やまわ」のやまわ蔵部陶芸教室の講師として勤務をはじめる。勤めていく中で、人と街の雰囲気に居心地の良さを感じ、川越に住むことを決めた。今の工房も生徒さんからの紹介とのこと。ご縁が詰まった土地での生活がスタートした。

「うつわをつくる上で一番にこだわっているのは使い心地の良さ」と石川さんは言う。「手にした時に感じる重さや手触り、口をつけたときの感覚が心地良いものであるよう心掛けています。やはりうつわは毎日の食事の中にあるものですので、心地よく長く使ってほしいと思います。」

石川さんが今の作風になったのは娘さんの誕生がきかっけだという。お茶碗の中に絵を見つけて喜んでくれるかな、というのがはじまり。結果は狙いどおり。小さい娘さんはにこにこっと笑って喜んでくれた。子を想う優しいまなざしが紡いだ優しいうつわ。「使う人を笑顔にするうつわっていいな」。以来、白地に絵付けをほどこしたつかう人が楽しめるうつわをつくり続ける。

石川覚子・12か月の豆皿展

日本の四季を描く

現在、むすびcaféで2回目となる個展を開催中。テーマは十二か月の豆皿。
「今回十二か月の豆皿、ということで月ごとにキーワードをいただきました。自分でもどう描こうか調べていくうちに改めて日本の四季の豊かさや、自然との密な関わりを感じました。年中行事を通じて、その季節の美しいものや、実りに感謝する姿勢が自然に備わっていたのだと思いました。」

石川さんの描くむすびcafé だけの歳時記は、素朴で愛らしくむすびcaféの雰囲気ともあいまって多くの方のお顔をほころばせた。

来年で川越に築窯して10年を迎える。「ここから作ったものを皆さんにお届けするのだという責任も大きくなってきました。ますます良いものを作らなければ、と感じております。」

どれだけ時を重ねても、笑顔を生み出すことを忘れない、柔らかくあたたかな気持ちを呼びおこす愛らしいうつわをこれからも石川さんは生み出し続けるだろう。

石川覚子(いしかわさとこ)愛媛県出身。武蔵野美術大学卒。在学中に陶芸を始め、卒業後は川越市の陶舗やまわにて、やまわ蔵部陶芸教室の講師を勤める傍ら、自身の作陶に励む。2005年ヒロロ工房を開設、2007年川越市に築窯。現在は、クラフトフェアや百貨店・ギャラリーの展示販売で活動の幅を広げる。一児の母。

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